ナガノ日記

備忘録

あの時なんて言えば良かったのだろう


2020/01/27
 
信念を持って突き進むことと、立ち止まって考えること。この時必要だったのはどちらだろう。必要だったも、不必要だった、もないのかもしれない。ひとつ言えることは、大切なものはいつも見えにくくなる、ということだろう。『彗星の孤独』寺尾沙穂 P55 

 

愛するもの、愛するひと、私や誰かの幸せを選び取ることは、そう簡単ではない。傷ついた誰かをそっとしておくべきか、言葉をかけるべきか。自分は気力を振り絞って立ち上がるべきか、休息を必要としているのか。

恋人が自死してしまった友人にうまく声をかけることができなかったことを今でも悔やむ。どのようにふるまえば彼の傷が癒されたのか今でもわからない。どうしようもなければ後悔もしないのだろう。だけど、僕はあの時、何か選ぶことができて、でもその選択の結果うまくいかなかった。

彼は今どこで何をしているのだろう。もう10年以上会っていない。連絡先もわからない。今でも彼の大切な気持ちを受け止めることのできなかった、あの日の電話を思いだす。