ナガノ日記

備忘録

2021-07-12から1日間の記事一覧

真実は思考停止のなかにある

2020/01/26 私はだからノンフィクション作家というよりはエッセイストと名乗りたいと感じている。いつでもひとりの人間の作り上げた、その人の感情の物語を知りたいと思っている。その人にとって、その出来事はどんな意味があったのか、投げかけられた言葉は…

あの時なんて言えば良かったのだろう

2020/01/27 信念を持って突き進むことと、立ち止まって考えること。この時必要だったのはどちらだろう。必要だったも、不必要だった、もないのかもしれない。ひとつ言えることは、大切なものはいつも見えにくくなる、ということだろう。『彗星の孤独』寺尾沙…

移住を目的にする人とは距離をとる

2020/03/04 『フルサトをつくる』(伊藤洋志・ pha)を読んだ。 僕も世間からは移住者と言われがちな立場で、小さなイベントでスピーカーをしたこともある。個人的には交通の便と店を開く立地が現時点で最適だと思い、引っ越してきただけなので「移住」がし…

過去の思いでが私を支える

2020/03/10 そもそも僕たちは、どんな苦痛だろうと、どんな不幸だろうと、それらに価値を見いだすことができる。なぜかと言うと、それらが「一回かぎりの唯一のもの」だと考えられるからだ。すなわち、「たった一度しかない、かけがえのない人生の中で起こっ…

何を見てもあの頃を思いだす

2020/06/07『盆栽/木々の私生活』アレハンドロ・サンブラ 彼はダニエラが眠っている姿を見て、八歳のころの自分自身が眠っている姿を思い浮かべる。いつもそうなのだ。盲人を見れば自分が盲人になってことを思い浮かべ、いい詩を読めばそれを自分が書いてい…

現場でなんとかしてしまう代表的日本人

代表的日本人内村鑑三2020/6/7 読了 内村鑑三は武士の家系に生まれた。クラーク博士の教え子となり、その影響を受けてキリスト教に帰依。専門は水産学。アメリカに留学して信仰を深めるも教派には属さず、帰国後は武士・日本人の考え方をキリスト教的精神と…

自由という束縛

2020/06/10『思想家たちの100の名言』ロランス・ドヴィレール/白水社 「人間は自由の刑に処せされている」サルトル 自由であるとは、まさに不安でたまらないことなのだ。それゆえにわれわれは自己欺瞞から、自分に定められた役割(喫茶店のボーイ、哲学者、…

身を焦がすほど待ったことのない幸せな人生

2020/06/15『「待つ」ということ』鷲田清一/角川選書 いろんなことを待っている。人生の大半は待つことではないだろうか。何かの行為があり、その結果がでるまで待つ。勉強、仕事、恋愛、子育て。 この本では待つことから発生する様々な思いを哲学的に考察…

僕は僕であるために、僕のままでいたい。

2020/06/18 『どもる体』伊藤亜沙/医学書院 僕も子供の頃から、時々どもることがあった。上がり症で人見知りのため人前で話す時に多かったような記憶がある。大人になっても大勢の人前で話すときに稀にあり、友人の結婚式でどもってしまった。順番にマイク…

美しい物語が醜いぼくを打ちのめす

2020/07/01 庭とエスキース:みすず書房 ひとりの老人の元に14年間、季節ごとに通って写真を撮る。その老人の名前は弁造さんと言い、北海道で小さな小屋に暮らし、美しい庭をつくる。若い頃は画家を目指していて、東京の洋画教室にも潜り込んで勉強。個展を…

ひとりの日記

2020/07/02 日記って何だろう。外は晴れている。 梅雨の晴れ間。自転車に乗って少し遠くの大きな公園に行った。しばらく本を読み、ぼんやりと空を眺め、遠回りをして家路につく。 何週間ぶりだろう、やっと一人になれた。自分だけの時間を半日だが過ごすこと…

忘れられた日記たち

よそで日記や書評を書いていたのをすっかり忘れていた。なんとなくアカウントをつくり書いては存在を忘れるということを繰り返してはや何年だろう。もう思い出せない日記があちこちに眠っているはず。 この日記もまたそんなことになるのかも知れない。とは思…